ISBN978-4-86037-246-0 四六判・並製本・160頁 定価:1400円+税 

陽山道子
犬のいた日

−シリーズ「俳句とエッセー」第4弾−

そこらの草や木や花や動物、そして身辺の人々が、この本の主人公である。登場する「連れ合い」もその一つだが、実はその「連れ合い」はネンテンさん。ネンテンさんは「連れ合い」をヒヤマさんと呼ぶ。二人の友だちぶりをひやかすのもこの本の楽しみだが、それにしてもヒヤマさん、しっかりと生きているなあ。いい感じだ。  (坪内稔典)。

 ISBN978-4-86037-237-8 四六判・並製本・147頁 定価:1400円+税 

小西雅子
屋根にのぼる

−シリーズ「俳句とエッセー」第3弾−

小西雅子さんは京都市伏見区の旧家の女主人。日本人の暮らしを体験したい外国人が彼女の家に続々とやってくる。和服でしとやかにもてなすのだろうが、実はこの人、うらうら、ぎらぎら、さわさわ、きりきり、みにみに、なのだ。えっ?何のことかって。この「屋根にのぼる」を読むとたちまち分かるだろう。シリーズ「俳句とエッセー」に明るく愉快な一冊が加わったことを喜びたい。 (坪内稔典)。

 ISBN978-4-86037-236-1 四六判・並製本・143頁 定価:1400円+税 

ふけとしこ
ヨットと横顔

−シリーズ「俳句とエッセー」第2弾−

ふけさんは現代の代表的俳人だが、彼女の特色は草花が大好きなこと。少女時代から草花と共に生きてきた人なのだ。私などは分からない草があると、まず写メールをふけさんに送る。この本を読んだ人は、草花好きになると思うが、同時に俳句好き、エッセー好きにもなるだろう。ふけさんの俳句もエッセーもきりっと咲く草花の感じだから。シリーズ「俳句とエッセー」の今後がいよいよ楽しみだ。 (坪内稔典)。

 ISBN978-4-86037-235-4 四六判・並製本・156頁 定価:1400円+税 

木村和也
水の容(かたち)

−シリーズ「俳句とエッセー」創刊−

すぐれた俳人、たとえば芭蕉、子規、虚子、久女などは見事な散文の書き手であった。現代の俳人を自称する私たちもその前例にならいたい。この「俳句とエッセー」のシリーズは、俳句グループ「船団の会」の俳人たちの句と散文の交響を目指す試みである。シリーズ第一作目の『水の容』では、木村和也の愛してやまない水が俳句と散文の豊かな地下水になっている。 (坪内稔典)。

 ISBN978-4-86037-218-7 四六判・並製本・207頁 定価:1500円+税 

堀内統義
戦争・詩・時代
−平和が平和であるために−

正岡子規や大和田建樹が生きた明治。尼崎安四の強靱、清冽な詩精神。富澤赤黄男の戦場での真情。戦争や治安維持法のもとで青春を過ごさざるを得なかった詩人たち。近代日本社会の歩みのなかの詩人たちと戦争の関わりを振り返る。

「(戦後70年を経て安全保障関連法案成立、集団的自衛権行使を容認する法的整備が進められるに至った)こうした時期、わたしは近代日本社会の歩みのなかで、詩人たちが戦争と、どのように関わり合ったかを、あらためて見てみたいと思う。過去の歴史は、常に現在からの審判に向き合わねばならない。というまなざしよりも、確かめることによって新たな未来に向けて、しっかりと、いまを考えたいと思うからだ。」(はじめにより)

 関連図書:
   『ずっと、ここに (堀内統義)』
   『恋する正岡子規 (堀内統義)』

 ISBN978-4-86037-227-9 文庫判・並製本・144頁 定価:800円+税 

稔典百句製作委員会 編
坪内稔典百句

  たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ
  桜散るあなたも河馬になりなさい

「表現されているままに読む・作者を知らなくても読める」俳句鑑賞100句シリーズの10冊目。「口誦性」と「片言性」に俳句の本質を求める坪内稔典の俳句は、とにかく楽しい。口ずさむ言葉の魅力とあふれる遊び心で俳句の世界に誘う坪内稔典の100句を、彼が率いる俳句グループ「船団の会」の若手俳人たちが、自由自在に鑑賞する。

 関連図書:
   『大事に小事』 坪内稔典 著
   『子規百句』 坪内稔典・小西昭夫 編
   『池田澄子百句』 坪内稔典・中之島5 編

 ISBN978-4-86037-214-9 四六判・上製本・95頁 定価:1500円+税 

片山一行
あるいは、透明な海へ

「それでも今日、私にもあなたにも無関係に鳥が飛ぶ」――そう書き綴って現代詩の新たな地平を開いた第一詩集から10年。「俳句」という定型詩の世界を模索し始めた著者の、端正な第二詩集。

 ISBN978-4-86037-210-1 文庫判・並製本・136頁 定価:800円+税 

坪内稔典・中之島5 編
池田澄子百句

  じゃんけんで負けて蛍に生まれたの
  ピーマン切って中を明るくしてあげた

「表現されているままに読む・作者を知らなくても読める」俳句鑑賞100句シリーズの9冊目。現代俳句の一翼を示す池田澄子の百句を、彼女を仲間とする船団の会の会員ら50名が鑑賞、澄子の俳句の表現の魅力を考える。

 関連図書:
   『子規百句』
   『不器男百句』
   『山頭火百句』

 ISBN978-4-86037-211-8 文庫判・並製本・160頁 定価:1200円+税 

堀内統義詩集
ずっと、ここに

日々流れつづける暮らしの時間。その岸辺に佇んだとき。ふと訪れる小さな裂けめ。立ちどまることが呼び寄せる不思議な世界。日常の言葉から詩を編み続けてきた詩人がたどり着いた、なつかしく味わい深い詩空間が広がる詩集。

 関連図書:
   『詩集 楠樹譚 (なんじゅたん)』
   『詩集 耳のタラップ』
 
  『芝不器男』
   『恋する正岡子規』

 ISBN978-4-86037-203-3 文庫判・並製本・175頁 定価:1000円+税 

わたなべじゅんこ 著
母屋のひさし −俳句史の風景−

河東碧梧桐を中心にした俳人たちの周辺を軽やかに論じた俳句新聞「子規新報」連載のコラムを、俳句史と季語に絞りまとめる。好奇心の赴くままに俳句史を探索する研究者わたなべじゅんこの「覚書」ともいうべき一冊。

 関連図書:
   『俳句の森の迷子かな』