ISBN978-4-86037-292-7 四六判・並製本・172頁 定価:1400円+税 

坪内稔典
早寝早起き

俳人たちの句と散文の交響を試みるシリーズ
「俳句とエッセー」第17弾・最終編。

本シリーズの提唱者が最後を飾る。軽やかに、なごやかに、ときに辛辣な散文と自由闊達な俳句を収める。

  「おい、つるりんしよう」
      ― いつまでも、どこまでも、自由に ―。

 ISBN978-4-86037-289-7 四六判・並製本・160頁 定価:1400円+税 

おおさわほてる
気 配

俳人たちの句と散文の交響を試みるシリーズ
「俳句とエッセー」第16弾。

俳句は言葉の夢風船。彼は俳句で呼びかける。

ボロアパートに亀と暮らす中年男。彼の生業はホテルマン、あこがれの仕事はゴム風船を操る大道芸人のピエロ、そして京都駅前の俳人。これがこの本の主人公である。彼は俳句で呼びかける。次のような句で読者を誘う。(坪内稔典)

あっ僕はあやまらないぞあおばずく
でんでんむしたまにはワンとないてみろ
ねえ、起きてあなたは春のぷっちんぷりん
僕は今ブロッコリーだ近寄るな

 ISBN978-4-86037-290-3 四六判・上製本・96頁 定価:1500円+税 

片山一行
たとえば、海峡の向こう

詩の中に、俳句、短歌をちりばめた意欲的な第三詩集。
これまでの二冊の詩集と若干、趣が異なり、具象的な言語空間が広がる。
しかし、作者の原風景である「海」をモチーフにした点は前二作の世界を引き継いでいる。

理由のない涙が落ちて
理由のある区切りがついた――。

かつて、「孤独とも違ふ重さか檸檬切る」と詠んだ詩人が定型と非定型の間を漂いながら、新たな世界を模索。

  片山一行関連図書 :『あるいは、透明な海へ』

 ISBN978-4-86037-286-6 四六判・並製本・150頁 定価:1400円+税 

藤野雅彦
エピローグ

俳人たちの句と散文の交響を試みるシリーズ
「俳句とエッセー」第15弾。

    いい天気いい渦潮だいい船だ
    銭湯で声かけあってかき氷
    欠席の理由小鳥来てるから

 等、切れがよく温かみのある俳句とエッセーを納める。

 迅速の人、それが藤野雅彦さんである。まず、早飯。その早さたるや並みではない。皆が、いただきますと箸をとるころ、彼は、ごちそうさん、と箸を置く。その早さが句にもエッセーにも出ている。この本、迅速の快さに満ちている。(坪内稔典)

 ISBN978-4-86037-274-3 四六判・上製本・243頁 定価:2000円+税 

川島由紀子
阿波野青畝への旅

昭和初期に俳句に新風を吹き込んだ4Sの一人と言われて活躍した市井の俳人、阿波野青畝。その生涯と俳句の生まれる土壌を辿る。丁寧な取材と資料の読み込みで、93歳で没するまで市井の俳人で在り続けた青畝の魅力に迫る。

「詩性ゆたかな俳句を自在に開拓」しようとした都会派・青畝。
その青畝が、「やあ」と軽く手を振って現れる。これはそのような本である。(坪内稔典)。

  川島由紀子関連図書 :
  
『スモークツリー』(第60回滋賀県文学祭文芸出版賞)

 ISBN978-4-86037-283-5 四六判・並製本・198頁 定価:1500円+税 

種田山頭火
草萌ゆる
−山頭火一草庵時代の句−

尾崎放哉と並び称される、自由律俳句の代表的俳人、種田山頭火。放浪の人生のなか、句を詠みつづけ、自ら終の住処と定めた愛媛県松山にて没した。その山頭火没後80年を期に編まれた一草庵時代の句集。山頭火の最後の自筆句帖、山頭火遺稿『愚を守る』、さらに山頭火主宰の「柿の会」の句と松山時代の「層雲」投句を添え纏められた。松山に残された山頭火の遺墨も収める。

いま、ここによみがえる! 山頭火が最後に残した一草庵時代の句

 ISBN978-4-86037-278-1 四六判・並製本・151頁 定価:1400円+税 

太田正己
日毎の春

― シリーズ 「俳句とエッセー」 船団の会―

    ぶらんこの影揺れている薄暑かな
    わが生家絶えざるものに立葵
    空豆よ吾も空見て育ちけり
    春嶺や父より天地無用の荷

 これらの句、くっきりしている。すっきりしている。そしてなんとも快い。投稿を楽しみ、投稿で育った著者は、まさに純に俳句を愛した? あるいは、俳句に愛されたのかも。(坪内稔典)

 ISBN978-4-86037-269-9 四六判・並製本・160頁 定価:1400円+税 

赤石 忍
私にとっての石川くん

― シリーズ「俳句とエッセー」 ☆ スペシャル ―

俳人たちの句と散文の交響を試みるシリーズ「俳句とエッセー」第13弾。

「海鼠の日石川くんの歯が抜けた」と詠んだとき、彼、すなわちこの本の著者は、「石川くん」に出会った。いや、出会ったというよりも、不意に 「発見した」という感じかも。 
以来、著者は「石川くん」と共に生きている。なんだかいい人生を生きている。(坪内稔典)

 ISBN978-4-86037-268-2 A5判・並製本・126頁 定価:2000円+税 

日吉 平
日吉平詩集 森を造る

森をめぐる言葉を紡ぎ   
     悠久の時間を招き寄せる     
         日吉平の詩の世界

愛媛で作詩活動を続ける日吉平の第四詩集。森をめぐる言葉を紡ぎ悠久の時間を招き寄せる26編の詩「森を造る」と、軽妙なことばの連想が楽しい五種のいろは詩(うた)「眠れぬ夜のことば遊び」を収める。

日吉平関連図書 : 『わらべ詩(うた)』 

 ISBN978-4-86037-263-7 四六判・並製本・352頁 定価:2500円+税 

青木亮人
近代俳句の諸相
−正岡子規、高浜虚子、山口誓子など−

「写生」を提唱した正岡子規、それを発展させた高浜虚子、「写生」の純度を高めた山口誓子、自由律の尾崎放哉、破格の中村草田男、自意識に満ちた石田波郷、庶民の哀歓を詠んだ菖蒲あや −。近代俳句を切り拓い俳人たちの諸相。

近代俳句の多彩な魅力を縦横に論じた評論集!