ISBN978-4-86037-306-1 四六判・上製本・244頁 定価:1400円+税 

中田友
中田友随筆集 青鷺と遊ぶ

「書くという作業が、自己の存在として疑うことのできないもの、今という時間との交差点に確実に存在しているというその有り方が自己を満足させてくれます。そしてそれだけが私を普遍の世界に遊ばせてくれるのです。」(「あとがき」より)
そうした思いで「書くこと」に向き合い、旅のこと、趣味の焼き物や本のことなど、日々の暮らしの中の魅力や発見を綴った34編の随筆を収める。

 ISBN978-4-86037-305-4 四六判・並製本・200頁 定価:1500円+税 

鈴木ひさし
桑原武夫と「第二芸術」
   
−青空と瓦礫のころ−

桑原武夫といえば、俳句に関わる人なら、すぐに「第二芸術」を思い浮かべる。彼の評論「第二芸術」を、同時代の俳人たちは真正面に受け止めた。この評論をめぐる論争が一つの結節点となり、俳句は新たに出発した。もし、『第二芸術』が書かれなかったとすれば、その後の俳人たちはどのような試みをしただろうか。 桑原武夫の没後30年以上が過ぎ、「第二芸術」の発表からは70年以上経った。今や「俳句用語」として整理されているかに見える「第二芸術」は、どのような文脈で書かれたのだろうか。 1946年発表の桑原武夫「第二芸術」を、もう一度書かれた時代と場所に置きなおし読み直す。

 ISBN978-4-86037-303-0 四六判・並製本・246頁 定価:1500円+税 

二宮美日
小説 武左衛門一揆
     ちょんがりの唄がきこえる

「…もう村では生きられん。こんな状態やのに年貢は増えるばかり。遅かれ早かれ、わしらは死ぬしかないんや」
「それならその命、わしに預けてくれんか」

 西日本で成功した一揆の代表として知られる武左衛門一揆、しかしその史料はすべて武士の立場から書かれたものである。本書は、桁打に身をやつし、ちょんがり唄の門付けを装い仲間を募り、村人を一揆に導いたとされる武左衛門を主人公に、ともに起ち上がったそれぞれの立場の人間たちを活き活きと描く。成功した一揆として歴史を刻みながら、覚悟の悲劇に向かう人々の姿が情感豊かに描かれる。

 ISBN978-4-86037-301-6 四六判・上製本・128頁 定価:1300円+税 

小野寺満
日本文化史再考

日本人はどこにむかおうとしているのか。どのような国をめざすのか。諸外国の先住民族や信仰の歴史と対比させつつ日本人の心象風景の原点を探り、その変遷をたどりつつ、あるべき姿を追う。
−−明治から戦前までのジャーナリストは、思想に関しては原則的であった。2020年現在、新聞界、放送業界、さらには出版界までもが萎縮して見える。これは私だけの偏見であろうか。(あとがきより)。

 ISBN978-4-86037-300-9 A5判・並製本・228頁 定価:2000円+税 

竹川郁雄
四国遍路の現代
   
ー「お接待」と歩き遍路 ー

空海の修行に由来し今なお四国に息づく四国遍路は、2000年代の今、どのような状況にあるのだろうか。「歩き遍路」と「お接待」はどのように行われているのか、なぜ、現代にそのような行為がうまく成立するのか、「お接待」をする人やそれを受けた人はどのような意識であるのか…。実際に遍路した人の巡拝記や調査したデータ、さらに著者自らの遍路体験により探求する。

 ISBN978-4-86037-299-6 A5判・並製本・208頁 定価:2500円+税 

川名 大
戦争と俳句
   
『富澤赤黄男戦中俳句日記』・「支那事変六千句」を読み解く

富澤赤黄男俳句研究史の最先端を切り開く新資料『戦中俳句日記』の翻刻と読み解き。時局に同調した「支那事変六千句」の皇軍へのバイアスと情報操作の剔出。戦争と俳句にかかわるテクストを犀利に読み解いた画期的な一冊。

 ISBN978-4-86037-296-5 四六判・並製本・239頁 定価:1400円+税 

黒瀬長生
随筆 ふるさと探訪

著者は「小説のフィクションと違って実体験の中から題材を選び、いかに多面的に実相を捉え、面白おかしく情緒や情感、普遍性を盛り込むことが出来るか・・・」それが随筆の真髄であり、魅力であると思い、日々、「書く喜び」とともにある人生を歩んでいる。本書は、そうした思いを込め初老となった現在を、平易な言葉、心温まる筆致で綴る随筆集である。

 ISBN978-4-86037-291-0 B5判・並製本・220頁 定価:18 00円+税 

和気一作
放射線を浴びたX年後

きっかけをくれたのは高知の高校生たちだった。
彼らは被ばくした多くの船の乗組員の聞き取りをしていた。
核実験による被害は、第五福龍丸だけではなかった――

隠されていた真実を追って、一ディレクターの闘いが始まった――

一ディレクター(南海放送・伊東英朗)の闘いは、ドキュメンタリー映画『放射線を浴びたX年後』(ギャラクシー賞報道活動部門大賞、ほか多くの賞を受賞)や本(同名)として結実し、現代の私たちに今も続く核を巡る諸問題を問いかけた。
本書は、はからずもそのことにより自らの父の生と死の意味を知った高知在住の一漫画家により描かれた、一ディレクターの歩み、そして彼が伝えようとした真実である。
彼らの闘いは、今も続いている。

       原作:伊東英朗 著 『放射線を浴びたX年後』(講談社)

 

 ISBN978-4-86037-294-1 変B4判・上製本・160頁 定価:5000円+税 

稲田博子
HIRIKO INADA

光と風の、色彩豊かな世界

抽象絵画を極めてきた稲田博子の集大成となる絵画集。明るくおおらかな作品100余点を収める。

 ISBN978-4-86037-295-8 B5判変形・並製本・72頁 定価:2000円+税 

スミダ ヒロミ
つるさんはまるまるむし
   
−スミダヒロミ詩画集−

個性的でのびやかなスミダヒロミの版画の世界を育んだ幼少年期の秘密の時間。 「この詩画集は 思ってもなかった出会いでいっぱいです 今は会えなくなってしまったみんなと また出会うことができました−−」(著者あとがきより)

思いがけない出会いが積み重なって、今の私があるのだなと思います。 たくさんの方に読んでいただきたいです。